VOICE 01戸田建設株式会社 様
実効性・納得性のある目標管理制度により経営方針と一体となった人財戦略を推進
140年の歴史を持ち、建築・土木を中心に都市開発、不動産、発電事業など幅広い事業を展開する戸田建設株式会社。近年は、カーボンニュートラルの達成に向けて「浮体式洋上風力発電」、建物で使うエネルギーをゼロにする「ZEB構想」などにも取り組んでいます。
同社の社員には業務上必要なスキルの向上や公的資格の取得が求められており、人事部ではさまざまな支援を行っています。全国に分散している社員の能力を把握し、適材適所の人材配置を実現することも人事部の重要業務です。
現在は2024年度までの中期経営計画のもと、人財開発、人事制度刷新など5つの領域にわたる施策によって、個々の人財価値と組織力の最大化を目指しています。しかし、従来の目標・評価管理システムでは、経営方針と各社員の業務を関連づけることが難しく、人財戦略推進の課題となっていました。
■企業情報
社名:戸田建設株式会社 様
https://www.toda.co.jp/
本社:東京都中央区
業種:総合建設業
事業内容:建築工事、土木工事、地域開発・都市開発、不動産の売買・賃貸・仲介・管理、再生可能エネルギーなどによる発電事業など
従業員数:4,160名(2021年3月31日現在)
売上高:連結5,071億円(2021年3月期)
■お客様導入モジュール
SAP SuccessFactors(Employee Central/ Performance & Goals/ Succession & Development/ Learning)
■ご利用のオデッセイソリューション
SAP® SuccessFactors®を活用した目標・評価管理による個人の能力向上に向けた意識の醸成
導入の背景
- VUCAの時代に立ち向かう組織(集団の戦力)や人財(個の戦力)の強化
- 実効性・納得性のある目標管理制度による、企業価値の向上と社員の働きがいの追及、モチベーションの向上
- 個人の能力や各種履歴の「見える化」と、人財開発への効果的な活用
SAPおよびオデッセイを選択した理由
- SAP SuccessFactorsでは、タレントマネジメントを中心とした人事基盤を段階的に拡張することが可能
- 社内で分散して保持していたタレントデータの一括管理が可能
- オデッセイの25年以上にわたるSAP人事ソリューションの導入実績と豊富な知見
導入効果
- 個人の能力や履歴の「見える化」と人財の能力マップの実現
- 個人の能力向上やレベルアップに向けた意識の醸成
- 自己発働型社員の育成
「オデッセイの担当者からは、私たちのリクエストに対して“必ずできる”という回答をいただき、一緒に考えながら導入できるパートナーであると確信しました」
寺井 大助 氏
戸田建設株式会社 人事統轄部 人事部 人事1課長
人財戦略を刷新し企業価値の最大化・持続的成長へ
戸田建設は、人財管理における課題解消を念頭に、システムの刷新に乗り出しました。人事統轄部 人事部 人事1課長の寺井大助氏は「VUCA時代に立ち向かう組織や人財の強化に向けて、個人の能力や各種履歴を『見える化』し、人財開発に活用することが目的です。さらに、求める人財像を策定して経営メッセージとして開示することで、社員の意識や行動に変革を促すことを目指しました」と語ります。
機能、コスト面から複数のシステムを検討した同社は、人事システムのグローバルスタンダードで、クラウドサービスとしてWeb利用ができるSAP SuccessFactorsを採用しました。導入パートナーには、25年以上にわたるSAP人事ソリューションの導入実績と豊富な知見を持つ株式会社オデッセイを選定しました。
「SAP SuccessFactorsへの決め手としては、タレントマネジメントを中心とした人事基盤を段階的に拡張することが可能ということと、オデッセイの担当者が当社のリクエストに対して一緒に考えてくれる姿勢があり、例えば社員の能力をレーダーチャートでトップ画面に表示したいという要望に具体的な提案をいただけたことでした」
寺井 大助 氏
戸田建設株式会社 人事統轄部 人事部 人事1課長
25年以上の導入実績と豊富な知見を持つオデッセイの支援で段階的に機能を拡大
SAP SuccessFactorsの導入は2019年6月からスタートし、2020年5月に目標・評価管理システムが稼働開始。その後、2021年3月に人材プロファイル、2022年3月に後継者管理と機能を拡張しました。
「以前のシステムと近い操作性を得るため、画面やレポートのカスタマイズをオデッセイに依頼しました。当社の業務を理解した方に継続して担当していただけたことが、複数の機能を順次追加していくうえでも助かりました」(寺井氏)
一方、約4,000名の社員が一斉に新しいシステムを利用することになったため、さまざまな問い合わせが寄せられたといいます。「紙の評価シートからWeb画面上での閲覧・記録に変わり、PCの操作に戸惑う社員もいました。マニュアルも作成して浸透を図っていますが、さらに定着を目指していきます」と、人事部 人事1課の小山田香菜氏は語ります。
個人の能力や履歴の「見える化」によりキャリア開発に活用
SAP SuccessFactorsの導入により、個人の能力や履歴の「見える化」が実現し、効果的な人財開発に向けて前進しました。経営方針と社員の業務との関連性も明確になり、能力向上に向けた意識醸成にも役立っています。「社員はレーダーチャートで自身の能力や評価の変化を把握し、キャリア開発に活かすことができます。人事部としても評価の仕組みを見直し、スキル向上のための研修参加を促すことも可能になりました」(小山田氏)
紙の評価シートがなくなったことでペーパーレス化も加速。人事考課もWeb画面上で完結するため、社員は面談のために出社する必要もなくなりました。
また、SAP SuccessFactorsの人材プロファイルにより、全社員の情報が一元的に見られるようになり、潜在能力の高いタレントの発掘や、適材適所の人財配置が実現する見込みです。さらに後継者管理の機能で、人的資本に関する国際規格であるISO30414に準拠し、ガイドラインに沿ったレポートの出力を進めています。
新人事制度のもとタレントマネジメントの実現へ
現在は、SAP SuccessFactorsの要員分析の機能を2022年度中に組み込み、2024年度から開始する新人事制度に向けて準備を進めています。
現在稼働中の目標評価管理、人材プロファイル、後継者管理の3システムについても、ユーザーの意見に基づき、より実態に即したシステムに改修していきます。
戸田建設におけるSAP SuccessFactors導入の本来の目的は、自己発働型社員を増やすことにあり、目に見える効果の創出は長いスパンで見据えています。「真のゴールは新人事制度にあり、人財戦略の中核に位置するのがタレントマネジメントであり、SAP SuccessFactorsです。そのために現在は全体最適化を進めている段階です」と寺井氏は語り、企業価値の向上に向けてオデッセイの継続的な支援にも期待を寄せています。